インテリア リノベーション

あなたは、どんな間取りが良いと思いますか?

その間取りは10年後も、あるいは20年、30年後もあなたにとって最良ですか?

長寿命化した住宅に生活スタイルが追随できなくなっています。この度は築24年の低層集合住宅のリノベーションです。LDKプラス続間和室、個室一部屋の典型的な1LDKですが、和室をリビングと一体化できるように建具が計画されており、オール電化仕様と合わせて当時としては時代を先取りする計画となっています。

しかし、設備の老朽化に加え、現在では少なくなった畳和室は若い世代を中心に敬遠されるケースが増えてきました。また賃貸では家具配置までは考慮されていないことも多く、当物件も例外ではありません。

そこで、現在の多様化する価値観、生活スタイルに寄り添ったリノベをココロみることにしました。

       リノベーション前         リノベーション後

フレンドM東山 306-2

名付けて「マドリレス設計」

住戸面積は57m2であることから、住人は単身、あるいは2人をペルソナとしています。

生活スタイルの変化に対応し、長期に渡り住み続けたいと思わせる住空間を目指します。

この度は開放性と、可変性を優先するために壁を極力取り払った一体空間とし、安心感やプライバシーを確保する適度な個室感と、生活スタイルの更新を可能とするために可動式の家具を採用しています。

個室を無くし、大空間の中に用途をエリア分けした新しい住まい方のご提案です。

壁面の活用

壁面カウンター収納を計画することで、収納量を確保するだけでなく、開放感をだしながらディスプレイや作業にも利用できる多目的スペースが登場しました。

壁際にある梁型を隠し、間接照明を併設することで壁面の美しさも加えています。

空間の一体感

高さの低い家具は圧迫感が無く、開放性を損なうことなく空間の用途を柔らかく分けています。ベンチ状にすることで好きな時、好きな場所に腰掛けることができるのは案外、快適です。いつでも人を多く招くこともできます。

ライティング

忙しい現代人にとって、帰宅後の時間は一日の疲れを癒す大切なひと時です。ライティングには就寝までの活動や、癒しなど、こまやかなニーズを効果的にサポートする力があります。

そのためには、照明を上手に利用し、細かい調整までストレスなく一括操作ができる必要があります。この度は、Wifi対応することで操作の煩わしさを解消しています。

くつろぎ時間には置型照明やスポットライトで明暗を出し印象的な雰囲気で就寝へと誘導します。

高級感

現在ではテーブルは多目的に使用されることが多くなりました。リビング側をベンチにすることで人数や作業に応じた座り方の変化に対応するだけでなく、収納スペースとしても利用できます。

それだけではありません。利用する人の足元や、キッチンを、柔らかく隠すことでリビングの品格を向上させています。一体空間とすることで溢れがちな生活感を調整する配慮も必要と考えました。

 

DIY

テーブルとキッチン目隠しは、施主のDIY。板を組み合わせるだけで素材感、立体感のあるダイニングになっています。安価であり、模様替えの際にも加工して再利用が可能です。変化に対応するための、家具に縛られない工夫の一つです。

もちろん、お気に入りの家具を活かす方法もあります。優先することをコントロールすることが大切です。

仕切る

生活する上で必要となる仕切りには、複数の要素を組み合わせるようにしています。意匠、目隠し、収納、ベンチ等。

間仕切収納は就寝スペースとの仕切としても機能しており、ベッドと固定することで転倒を防止しています。サニタリーや収納スペースとまとめてレイアウトし、プライベートエリアを構成させています。

続き間なのでエアコンは一台で十分、家中どこでも暖かく寒がりな方にもおすすめです。ランニングコスト、イニシャルコストも減らしながら快適性を向上させています。

 

ダイニングからキッチンへのアクセスはそのままにキッチンの生活感を化粧板でコントロールしています。

ダイニングも含め、明るく作業性の良い空間としています。

 

鏡による視覚効果で奥行き感をだし、また床に置くことで床面が連続しているように見せることでさらに効果的な演出としています。これは店舗設計で多用される手法です。

 

間接照明は意匠性が高く、ストレスが少ない照明です。

活動時間には間接照明を主照明とし均一で眩しさを感じさせない作業性の良いタスク照度を確保しています。

また、梁を利用した天井間接照明には方向性があり、一体空間であるにもかかわらず、それぞれの居場所に合った明るさを確保することが可能です。そのことにより、同居人の生活時間やスタイルが異ることによるストレスも少なくてすみます。 

カーテンレールは壁部を含めて覆うことで閉めた時には窓面をシンプルに見せることができます。

視線の気にならない窓には、カーテンを設置せず、バルコニーにライティングを計画し坪庭風に見せることも可能です。

 

開けた時も壁部に集めることができるため、すっきりした印象です。窓の解放感も最大限にすることができます。

家事コーナーはちょっと独立感のあるキッチンの中心へ。家事の合間に読書や、ネットで調べもの。回遊性もあり、きちんとダイニングの様子もうかがえます。

壁面カウンターの端にはインターネット機器の収納スペースを計画しています。上部にはダストシュートを設けています。

なにかと増える鍵、リモコンキーを通り越してスマートロック化へ。スマホのみで自動開閉。家族の帰宅や、鍵の閉め忘れの把握ができ安心。留守中の解錠なども対応可能です。

(キュリオQ-SL2)

感想

戸建住宅の新築物件を中心に得てきたノウハウをリノベにどのように活かせるのか、がテーマでした。新築のように敷地条件や施主に合わせて一から作り上げる訳ではありませんが、限られた条件下でも出来ることは意外と多いのではないでしょうか。新築戸建でも増えきた間取レス設計(生活スタイルを間仕切で計画するのでは無く、住まい方で構成する手法)は、リノベとの相性が良いと感じます。

また、気になられた方もおられると思いますが、就寝/WICスペースはどのようになっていると思います?

新築だけでなく、リノベに興味がある方は是非、情報交換いたしましょう。

 

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